監修の言葉――令和(れいわ)の時代の「道」TAO(タオ), この本の著者、早島天來宗師(筆名・正雄)は、古代中国に生まれた「道」TAO(タオ)を現代にわかりやすい言葉でよみがえらせ、簡単にできて即効性のある気の健康法「導引術(どういんじゅつ)」を日本に広めました。 その早島天來宗師が登仙(とうせん)されて二〇年が過ぎた今年、天來宗師の書かれた著作をこうして新たに出版できることを、とても幸せに思います。 , そして日本では、今年の五月に新天皇が即位され、新たな元号が「令和(れいわ)」と決まりました。その英語の訳は、「Beautiful Harmony (美しい調和)」です。まさにこれからの日本が、世界の国々と、そしてまた地球の自然と、美しい調和を保てる国になってゆければ、という願いがこもったすてきな元号となったのです。 , この「美しい調和」という言葉は、まさに「道」TAOそのものなのです。 それは、「道」TAOの生き方、つまり天地自然に沿(そ)って、水のように対立せずに、すべての存在と調和して生きるという哲学を象徴している言葉なのです。「道」TAOを伝えている私は、とても心強く、うれしくなりました。, そしてまた、この言葉は、紀元前の中国に生まれた「道」TAOの哲学書『荘子(そうじ)』の中に書かれた「導引」という言葉を、晋(しん)(二六五~四二〇年)の時代の李頣(りい)という人が註釈(ちゅうしゃく)した言葉でもあるのです。 それは「導引者、導気令和、引体令柔」という文章で、「導引とは、気を導いて調和し、体を引いて柔軟にする」という意味をあらわしています。