2021/09/24 18:26


この本を手にされた、みなさんへ

みなさん、毎日楽しく過ごしていますか?
学校に通ったり、塾に通ったり、習い事をしたり、そしてご家族や近所のお友だちとの交流など、毎日いろいろなことがあると思います。

その中には、いやだな~と思うこと、どうしてこうなっちゃうのかな~と思うことなど、悩むことや困ったこともあることでしょう。
そんな時、老子さまにどうしたらいいか聞いて、いっしょに考えて解決しよう、というのが、この本です。

老子さまってどんな人?

老子さまとは、紀元前(今から二千年以上前)の中国に生まれた人で、『老子』(『老子道徳経』ともいわれます)という、人生や自然の真理について教えている、すばらしい本を書いた偉い人です。
その老子さまは、こう言っています。

「この世界は、広い宇宙も、
すぐ側にあるお花や犬や猫も、
友達や家族も、みんなが天地自然に生かされていて、
だれもが同じように生かされています。
上から下へ、さらさらと流れる水のように、
素直に、柔軟に、ものごとを考えて、
天地自然に調和して、楽しく生きてゆく、
これが「道」TAOなのです。

さあ、この本では、その老子さまの教えが書かれた『老子』から、みなさんの日常で出会う悩みや困ったことをとりあげて、いっしょに学び、楽しく毎日を過ごせる方法を考えてみましょう!

ご家族(両親)と読んでくださいね

そしてこの本は、子供さんだけでなく、ご両親、ご家族にも読んでいただけるように、解説がついています。ぜひご家族でいっしょに、本を開いて考えてみましょう。

そうすれば、きっと老子さまからの答えを聞いているうちに、悩みはいつのまにか小さくなって、気にかかっていたことも、消えてしまうことでしょう。

人生は毎日が楽しく生きられるのですよ、ということを老子さまが教えておられるこの本を手にとられたみなさんが、これまでよりさらに、毎日元気に楽しく過ごされますように、心から祈っています!


みず のように  きよう

『老子』第8章より

上善じょうぜん は みず の ごと し。
みず は  く 万物ばんぶつ を  して あらそ わず、 衆人しゅうじん の にく む所に  る。

伸び伸びと、水のように、自由に

コップに 一杯いっぱい いれたジュースはこぼれる

『老子』第9章より

 してこれを  たさんとするは、  の  むに  かず。

子供に対する欲を  かしましょう

からっぽだから やく にたつ

『老子』第11章より

しよく をこね、 もっ て うつわ を つく る。  の  に  たりて うつわ の よう あり

それは、人生を豊かにしてくれる時間

人工的じんこうてき な いろ や おと にとらわれない

『老子』第12章より

五色ごしき は ひと を もう さしめ、 五音ごおん は人を ろう せしむ。
五味ごみ は ひと の くち をたがわにする

人工的なものより、自然に触れよう

本当ほんとう に  い 行動こうどう は 自然しぜん で 目立めだ たない

『老子』第27章より

善行ぜんこう に 轍迹てっせき なく、  く  うものは 瑕讁かたく なし。

子供は親の姿を見て学びます

自分じぶん に  つ ひと が 一番強いちばんつよ い

『老子』第33章より

ひと に  つ もの は ちから あり、 みずか ら  つ もの は きょう 。

いつも子供の話をよく聞いてあげましょう

 るを  る  き かた

『老子』第44章より

 るを  れば はずかし められず。

人に譲る、優しい気持ちを育てましょう

わる いことがあっても  いことが  ってる

『老子』第58章より

わざわい は ふく の  る ころ 、 ふく は わざわい の  する ところ 。

ともに寄り添って、見守ってあげましょう

まず 一歩いっぽ を  み  そう

『老子』第64章より

千里せんり の こう も、 足下そくか より はじ まる。

子供は  めて育てましょう

 らないから たの しい

『老子』第71章より

 って  らずとするは じょう なり。
 らずして  るとするは へい なり

親子いっしょに調べてみましょう

からだ はやわらかく、 かんが え かた もしなやかに

『老子』第76章より

草木くさき の しょう ずるや 柔脆じゅうぜい にして、その  するや 枯稿ここう なり

子供たちの 天真爛漫てんしんらんまん さを見習いましょう

うれ しい 言葉ことば ばかりが 本当ほんとう じゃない

『老子』第81章より

信言しんげん は  ならず、 美言びげん は しん ならず。

真実の言葉に耳を傾けましょう